MESSAGE 「東邦の更なる100年に向けて」

学園創始者である下出民義先生らが築いた名古屋の産業地盤は、今やものづくりで日本の産業を牽引する役割を担い、世界とも強く繋がっています。また、この地域には航空宇宙産業の興隆やリニア新幹線の開業などによってさらに発展していく未来図が描かれており、先哲の遺志を継いでいくことは、次代を生きる我々の使命と考えます。

東邦学園は、1923(大正12)年の創設以来、「真に信頼して事を任せうる人格の育成」を建学の精神に掲げ、政治・経済・スポーツ・教育・芸術等多方面にわたり多くの有為な人材を輩出してまいりました。その基盤となったのは、学園の草創期に行われた、リベラルな気風の中で、画一的な詰め込み教育を排し、個性の開発と「真面目」をめざす教育実践でした。

わが国は、これから大幅な人口減少や超・高齢化社会を迎えます。また、第4次産業革命が起こり急速な技術革新により、多くの仕事はAI(人工知能)が判断し、ロボットに置き換えられると言われており、これまでの人々の働き方や生き方だけでなく、社会システムさえ大きく変わる社会の到来が予想されています。未来はけっして楽観できることばかりではなく、さまざまな矛盾や難問に向き合うことは避けられそうにありません。

先行き不透明な将来への備えとして、日本の教育は、知識偏重型から思考力、人間力を育成する方向へと舵を切ろうとしています。特に人間形成にとって重要な青年期に、自らの価値観を持ち、人と協働し創造的な学びへとつなげる主体的な学びは、もはや世界の教育の潮流です。
2023年、学園は創立100周年を迎えますが、95周年の本年度より創立100周年以降の教育活動を視野に入れ、その事業内容を定めるとともに基盤づくりに着手するところです。

不確実性の増す時代である今こそ、建学の精神に示された「信頼」という人間相互の関係から生まれる価値の重みを感じずにはおれません。あらためて、学生・生徒一人ひとりを見つめ、それぞれの可能性の芽をはぐくむこと―自らの強みに気づき、自分を磨き続ける力の育成―を教育の柱に置き、混迷の時代を乗り越えられる人材の育成を学園に課せられた使命として力を尽くしてまいります。