検 索

寄 付

TOHO
INTERVIEW

2015.07.14

【第7回】「なでしこ」の晴れ舞台をPVで応援。沖縄で女子サッカーの後輩を育てたい

女子サッカー部主将

仲里紗弥さん

人間学部人間健康学科4年

仲里紗弥(なかざとさや)

沖縄県出身。2012年4月、「スポーツ・音楽推薦特別奨学生」で入学。2015年度女子サッカー部主将。教員をめざす学習サークル「Education Circle」代表。父親は小学校校長、母親も教員。帰省のたびに元教員の祖父や祖母らも加わった親類一同の前で大学生活を報告させられ、「おかげで自分をしっかり主張できるようになりました」。

 女子サッカー部は女子W杯カナダ大会決勝戦が行われた7月5日、日本代表(なでしこジャパン)を応援するパブリックビューイング(PV)をL棟4階で企画しました。なでしこは敗れましたが、愛知東邦大学女子サッカー部のさわやかな応援ぶりは新聞やテレビで大きく紹介されました。部員35人を率いるキャプテンの仲里紗弥さんに聞きました。

――W杯決勝戦ではアメリカの怒涛の先制攻撃が続きました。会場から悲鳴が上がった瞬間を、朝日新聞は部員の皆さんの驚きの写真を使い、夕刊トップ記事で紹介していました。

 メディアが取材に来ることは知っていましたが、あれだけたくさんの新聞社やテレビ局が来るとは思ってもいませんでした。しかも、あんなに大きく報道されるとは。部員たちのリアクションもすごく、「みんなすごい顔をしていたんだね」と盛り上がりました。35人の部員のうち私を含めて11人が沖縄出身。実家には「NHKを見てね」と連絡していましたが沖縄では放送されませんでした。部員たちで集めた動画を女子サッカー部のホームページにアップし、それぞれ家族に連絡しました。

――パブリックビューイングを企画したいきさつを教えてください。

 女子サッカー部は2015年度から、大学チームとしては初めて東海女子サッカーリーグ1部に加わるとともに、愛知県女子サッカーリーグ2 部にも所属しています。土曜、日曜の試合の様子は、次の試合までに全員でビデオを見て分析して戦略を考えています。なでしこのW杯での戦いぶりについても、「決勝進出ならぜひPVをやって、応援しながら試合のポイントを分析したい」という声が上がっていましたので、監督の大勝志津穂先生(経営学部准教授)に相談しました。考えてみたら、世界の頂点を決める大舞台を、部員全員で”観戦”するということはめったにない体験ですしPVをやって本当によかったと思います。

――4年前の2011年女子W杯(ドイツ)で「なでしこ」が澤穂希選手らの活躍で優勝した時は高校3年生ですね。

 県立名護高校で女子サッカーをやっていました。初心者の集まりでしたが県下では上位でした。女子サッカーはまだまだ広まっていませんでしたが、澤選手たちが活躍し、なでしこが優勝したことで、一気に広まりました。今回のW杯でも、代表から1年離れていた澤さんが加わったことでチームの雰囲気が変わった。すごい存在だと思いました。キャプテンとは、ああいう精神的な支えにならなければと思いました。

――入学した2012年度の女子サッカー部は全日本大学女子サッカー選手権大会(インカレ)に初出場、愛知県リーグ1部でも2連続優勝し東海リーグ昇格を決めていますね。

 沖縄の高校女子サッカーは国体で一緒のチームになるなど、学校は違ってもみんなつながっていました。愛知東邦大に入った他校出身の1年先輩が、「愛知東邦の女子サッカー部は創部したばかりだがみんな仲がいい。一緒に全国をめざそう」と声をかけてくれました。2012年は、女子サッカー人気が急激に高まった年です。私もいいタイミングで入学できました。インカレにも1年生で出場できましたが、1回戦はドキドキでした。私を愛知東邦に誘った先輩を含めた沖縄出身の3人は今年3月に卒業しましたが、4年間の成長ぶりを家族たちに見てもらおうと、1月には読谷村で合宿をしました。「琉球新報」には「沖縄合宿で快進撃 県出身10選手活躍」という記事も掲載されました。卒業した3人に代わって今年4月、沖縄出身の4人が入部しましたので沖縄出身は現在11人います。

――女子サッカー部は活動目的に、「サッカーを通して子供や中高生、地域の方々と交流し、人間的に成長する」ことも掲げています。

 日本サッカー協会(JFA)は女子サッカーをメジャースポーツに発展させようと、各地域で「なでしこひろば」の活動に力を入れており、愛知東邦大学でも創部以来、積極的に取り組んでいます。日進グラウンドでは月1回、東尾張地区の小中学生たちを指導するスクールを開いています。練習や公式試合とぶつかる時もありますが、部員たちには入学した時点でしっかり説明し、「地域の人たちとの交流をおろそかにしないように」と徹底を図っています。読谷村での合宿の時も、小中学生や高校生を集めてスクールを開きました。

――教職科目を取っていますね。

 卒業後は沖縄に帰って中学校の保健体育教員をめざしています。教育実習は5月25日から3週間、母校の名護中学校で行いました。知っている先生が1人いて、私が中学生だったころを「あのころは元気がありすぎるというか、活気があったなあ」と懐かしそうに話してくれました。名護中学校には私がいた頃と一緒で、まだ女子サッカー部はなく、女子は男子サッカー部に混じって練習をしていました。指導者の目はどうしても男子中心になりますから、女子には目が行き届いていません。この子たちにサッカーを教えてやれたらなと思いました。名護地区では小中一貫の義務教育学校ができており、卒論では公立学校での小中一貫教育での指導方法についてまとめています。※女子サッカー部の「なでしこ」応援PVの様子を伝える朝日新聞記事です。

「パブリックビューイングをやってよかった」と語る仲里さん

夢は沖縄の中学校の先生になること

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