検 索

寄 付

TOHO
INTERVIEW

2015.12.17

【第18回】好きな野球にどっぷり漬かってみたかった。自分で選んだプロの道で全力を尽くしたい

愛知東邦大学出身初のプロ野球選手

高柳翔宇さん

2013年経営学部地域ビジネス学科卒

高柳翔宇(たかやなぎしょうう)

横浜市出身。国士舘高校を経て2009年に愛知東邦大学経営学部に入学。硬式野球部では1年生の時から内野手、クリーンアップとして活躍。4年次には主将。2013年から富山県の株式会社アイザックに勤務しながら富山ベースボールクラブに3年間在籍。右投げ右打ちの内野手で福井ミラクルエレファンツでの背番号は44。

 愛知東邦大学出身では第1号となるプロ野球選手が誕生することになりました。プロ野球独立リーグの福井ミラクルエレファンツにドラフト6位で指名された高柳翔宇さんです。2013年に本学を卒業後、富山県の社会人クラブチームでの3年間を経てのプロ挑戦です。母校へのあいさつに訪れた高柳さんに元新聞記者でもある榊直樹学長にインタビューしていただきました。

――福井ミラクルエレファンツの試合は福井県が中心ですか。

 所属しているルートインBCリーグには8チームが参加しています。西地区(福井、石川、富山、長野県)と、東地区(新潟、福島、埼玉、群馬)の各4チームで構成されており、福井ミラクルエレファンツは西地区ですので、福井市を拠点に3月後半から9月まで年間78試合を行います。東西地区の交流戦もありますから、移動範囲は福島県から福井県まで広範囲に及びます。所属選手は20人くらいで、練習では投げて、打って、守るだけでなく球拾いもしなければなりません。

――愛知東邦大学の硬式野球部時代は1年生から内野を守り、キャプテンも務めましたが、卒業してからどんな生活をしていたのですか。

 富山県にある産廃関係の会社に就職し、朝8時半から夕方5時まで勤務したあと、富山ベースボールクラブという社会人のチームで野球に打ち込んでいました。名古屋を訪れる機会があるときは、愛知東邦大学の日進グラウンドに出かけ、学生時代からお世話になっている荻巣幹典コーチにアドバイスしていただいたり、後輩たちと一緒の練習に加えてもらっていました。今回、独立リーグですが、プロ野球選手になるにあたっては、3年間勤務した会社にはしっかり話をして、円満に送り出していただきました。

――それなりに安定していた社会人生活から、将来の生活が保証されているわけではない独立リーグに挑戦するわけですから、かなり勇気がいる決断でしたね。

 好きな野球をとことんやってみたい、思い切って、毎日、野球だけを考える環境の中にいたいと決断しました。もちろん周囲には無謀だと言う人もいました。富山県で会社勤めをしていた時と比べたら年収は大幅に減ります。これからの収入は球団からいただくものが全てで、シーズン中のアルバイトは禁止です。宿舎がありますので、自炊生活を続けながら頑張ろうと思います。横浜にいる父親からは「自分の夢に向かって、やれるだけやってみなさい」と励ましてもらいました。父親も自分も好きなデザイナーの仕事をずっとやってきたので、理解してもらえたのかなと思っています。

――今、考えていることは何ですか。

 11月28日のルートインBCリーグドラフト会議で、福井ミラクルエレファンツからドラフト指名を受け、1月9日に入団発表があります。キャンプが始まる2月からチームに合流しますが、早くなれて結果を出したいと思っています。一緒にドラフト指名を受けた6人は23歳~25歳で僕が最年長。独立リーグもプロ野球ですが目指すのはやはりNPB(日本野球機構)のプロ野球球団です。年齢を考えれば1年か2年で結果を出さなければなりません。NPBでは活躍するヤクルトスワローズの山田哲人選手は23歳ですし、若い人たちがたくさん頑張っています。年齢的にはまさに背水に陣と言われそうですが、何と言われようとやってみようと思っています。

――学生時代は授業にはしっかり出ていましたか。

 授業には真面目に出ていました。経営学部地域ビジネス学科のスポーツマネジメントコースで、ゼミ担当だった杉谷正次先生に指導していただきました。中学・高校の保健体育の教員免許を取りましたので教職科目や教育に関する科目で学んだことはすごく記憶に残っています。

――プロ野球の表舞台でやっている人たちの努力は大変なものだと思います。さらに表舞台には出られない何十倍もの人たちが人生をかけて日々、しのぎを削っているわけです。戦力外になった選手たちと入れ替わるように毎年新しい人たちが入ってくる。計算高い人間なら、会社勤務を捨ててあえて独立リーグに挑戦しようという気にはならないと思う。でも、あえてそんな世界に、今こそ挑戦の時だとばかり踊り出てくる人がいるからこそプロ野球は面白くなる。計算高い人間ばかりではスポーツはつまらない。そういう意味では、君はみんなの人生を豊かにすることにもなると思います。ぜひ、野球ファンに夢を与え、喜ばせるプレーをして、球場に足を運んでくれるファンを増やすよう頑張ってください。

こんな取材を受けるのは初めてですがいい経験になりました。自分で選んだ道なので全力を尽くします。ありがとうございます。

【独立リーグ】

 日本野球機構(NPB)が運営するプロ野球とは別に、地域などでつくられた組織が独自に試合を開催している野球のリーグ。代表的なものとして、四国の4球団が競う「四国アイランドリーグplus」や、新潟・富山・石川・長野・福井・福島・群馬・埼玉の8球団で争う「ベースボール・チャレンジリーグ」(ルートインBCリーグ)があります。元々は若い選手の育成の場として誕生しましたが、現在では、元プロやベテラン選手の再挑戦の場ともなっています。高柳選手が入団する福井ミラクルエレファンツには、2001年にドラフト1位で巨人に入団し、横浜(現DeNA)などでもプレーした真田裕貴選手が、同じルートインBCリーグ「福島ホープス」から移籍し、2016年から投手兼任コーチを務めます。

榊学長からインタビューを受ける高柳さん(12月15日)

インタビューを終え榊学長から激励を受ける高柳さん

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