検 索

寄 付

TOHO
INTERVIEW

2016.04.06

【第24回】「自立」し出会いの「縁」を広げる学生生活を。コミュニケーション力から生まれる信頼感

入学式で後輩を激励

望月 崇伸さん

2006年経営学部地域ビジネス学科卒

望月崇伸(もちづきたかのぶ)

静岡市出身。愛知県立日進西高校を経て2002年、東邦学園大学(当時)に入学。卒業後はネジやナット類を扱う商社に就職。営業を担当しタイ、インドネシアに5年間勤務し、2014年に退職。今は海外ビジネスをサポートする会社で日本と東南アジアを行き来する日々。1男3女の父。

  国際ビジネス学科1期生を迎えた2016年度入学式では、本学の開学2年目に入学し、男子サッカー部を立ち上げた経験もある望月崇伸さんが後輩である新入生たちに「励ましの言葉」を贈りました。2年目の「TOHOインタビュー」は、東南アジアを舞台にした海外ビジネスの最前線で仕事に取り組む望月さんへのインタビューからスタートします。

 

――入学した2002年は東邦学園大学(2007年から愛知東邦大学に改称)の時代。まだ開学したばかりの状態ですから、男子サッカー部を創部するのも大変だったと思います。

 

 生まれ育ったのがサッカーの盛んな静岡県でしたので小学校2年生からサッカーを始めました。父親の転勤で中学からは名古屋に移りましたが、高校生までクラブチームである名古屋グランパスユースでサッカーを続けました。東邦学園大学を選んだのは、新しい大学であることも魅力でした。サッカー部もまだないのなら、自分で創ってやろうと闘志がわいてきました。「俺がこの大学の伝説をつくってやる」と。

 

――男子サッカー部は順調に立ち上がったのですか。

 

 簡単ではありませんでした。意気込んではみたもののゼロからのスタートでしたから。入学式が終わって、初代監督を引き受けてもらうことになる職員の増田さん(増田貴治法人事務局長)に相談に乗ってもらいました。愛知学生サッカー連盟に仮登録して3部からのスタートでしたが、登録の手続き、予算などフロント的な仕事は増田さんにお願いして僕は部員集めに走り回りました。同級生でサッカー経験のある江崎誠、松井慶太君(いずれも現在、愛知東邦大学職員)が力強い創設メンバーとして加わってくれ、何とか約20人が集まり船出することができました。1年生だけの部員でしたから、なかなか勝ち星があげられず、9月の大会でやっと初勝利をあげました。

 

――新しい分野を切り開くということは大変なことですね。

 

 専用のグラウンドはまだなく、ナイター設備のある尾張旭や守山区の施設で午後6時か6時半からの練習スタートでした。人数はそろったものの、お互いの気負いもあり、衝突や分裂の危機に直面したこともありました。そんな時、学んだのは1+1が3のパワーを生み出すことでした。一人では何もできないことを認めたうえで、他の人に自分ができないことを補ってもらう。さらに、自分も他人のためにできることをする。それが大きなパワーを生み出していくことを知りました。4年間、主将として1部での活躍を目指しましたが、残念ながら2部にも昇格できないまま卒業を迎えました。ただ、ゼロから1を創る作業の大変さを体験したことは後の自分にとっては大きな収穫だった思います。

 

――就職した会社での海外勤務でも、新しい分野を切り開くことになったわけですね。

 

 ホームセンターなど売っているネジやボルト・ナットなど締結部品を扱う、愛知県に本社のある商社に8年余勤めましたが、5年間はタイ、インドネシア勤務でした。バンコクで2年、ジャカルタで3年です。バンコクの現地法人は200人くらいスタッフがいましたが、ジャカルタでは工場建設用地探、建設からゼロからのスタートを任されました。インドネシアはスケジュール管理が難しい国で、いろんなところで粘り強く調整しながらやっていかなければなりませんでした。自分一人で全部ができるわけではないので、ここでも、痛感したのは、いろんな方々の協力を得ながら形にしていくことの大切さでした。コーディネイトしながら工場が出来上がった時は大きな達成感がありました。

 

――愛知東邦大学は今年度、経営学部に国際ビジネス学科を開設しました。アジアを舞台にした仕事に向き合う場合のポイントは何でしょう。

 

 入学式でも後輩の皆さんに言いましたが、コミュニケーション力と信頼を得ることだと思います。何と言っても信頼がなければ大きな仕事はできません。海外では、国民性、言葉、文化、宗教など全てが違うなかでも、向こうの意図をしっかりキャッチし、こちらの思いを伝えていかなければならない。通訳を介してだとフィルターがかかり、真意が伝わらない場合もあります。顔を突き合わせ、直接会話することがどうしても必要でした。そして、インドネシア語、タイ語を必死に覚えました。目は口ほどにものを言うという例えがあるように、言葉は完璧ではなくても思いは必ず伝わります。コミュニケーション力をつけること、伝わるまで話し続けることで現地従業員との信頼関係も築くことができました。

 

――入学式で、新入生たちの心に最も刻んでほしかった言葉はなんですか。

 

 「ご縁」と「自立」です。大学でサッカー部を立ち上げたのも、インドネシアで新工場を立ち上げたのも自分だけの力ではなく、支えてくれた人たちと巡り会えた縁があったからこそです。そして、私が言う自立とは、自分の弱さを認め、他者と共存することで、「仲間のためにやれることをやってあげる」ということです。愛知東邦大学には「自立」できる環境がたくさんあります。いろんな方々とよい「ご縁」を得ることもできます。「自立」し、素晴らしい出会いの「ご縁」を広げてほしいと思います。

入学式で新入生たちに先輩として「励ましの言葉」を述べる望月さん

左から同期生の本学職員江崎さん、榊学長、望月さん、増田事務局長

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