検 索

寄 付

TOHO
INTERVIEW

2016.11.02

【第35回】後悔するのは試合が終わってからでいい チーム一丸の開き直りで生まれた逆転劇

愛知大学野球2部敢闘賞

森祐輔選手

(経営学部地域ビジネス学科4年生)

森祐輔(もりゆうすけ)

 愛知県刈谷市出身。野球は小学3年生から始めましたが硬式野球は東邦高校に入学してから。2013年に愛知東邦大学入学し、1年生からレギュラー捕手。最後のシーズンとなった2016年秋季2部Aリーグでは4番バッターとしてチーム初の優勝決定戦進出に貢献。卒業後は社会人野球からプロへの夢を追い続けます。

 愛知大学野球2016年秋季リーグで2部優勝決定戦に挑んだ愛知東邦大学。惜しくも初優勝は逃しましたが、執念の戦いぶりは相次ぐ逆転劇を生み、応援席を魅了しました。4番、キャッチャーとしてチームを牽引し、敢闘賞に輝いた森選手に聞きました。

 

――2部秋季Aリーグでは本塁打1本、三塁打、二塁打各2本を含めた打率.359で打撃5位。敢闘賞にふさわしいナイスバッティングでした。

 1年生の時から試合に出させていただきましたが、昨年春までは打順も7番とか後ろで、打率も3割に届きませんでした。最後のシーズンを前に、もう一度自分を鍛え直そうと、振り込みにも力を入れました。荻巣幹典コーチにバットのヘッドが寝ないよう、手の間隔を開けて練習してみたら指摘されるなど自分の中では大きく成長できたと感じたポイントがありました。盗塁阻止など捕手としても手応えが感じられたシーズンでした。

 

――愛知大学との2部優勝決定戦第1戦では1-4の9回裏、森君のライト前ヒットから打線がつながり5-4で逆転サヨナラ勝ちしました。チームはどんな雰囲気でしたか。

 僕も調子が上がってきていたので長打狙いのバッティングになっていました。相手投手は外のスライダーでひっかけさせようとしているなと読んで逆らわずにバットを出しました。Aリーグ優勝を決めた東海学園大学との第2戦も0-2を土壇場でひっくり返し3-2でサヨナラ勝ちしましたが、チーム全員が、「最後までやるしかないんだ」と開き直った感じになっていました。エラーした選手、チャンスで打てなかった選手を迎えるベンチからは「切り替えて行こうぜ」「引きずるなよ」という声が飛び交っていました。試合は終わっていない。悔しさや打てなかった理由は試合が終わってからいくらでも話せる。最後までやれるだけのことをやろう。そうした空気が8回、9回でピークを迎えたのだと思います。

 

――東邦高校時代からキャッチャーで活躍していたのですか。

 1年生の秋、捕手の2番手として背番号12をいただきました。しかし、足首を負傷したり、精神的な弱さもあって同級生のライバルに追い抜かれてしました。東海大学に進み、今年のドラフトで中日から6位指名を受けた丸山泰資投手は互いに控えだったので、B戦(2軍)ではバッテリーを組みました。練習をまじめにするタイプで2年生後半から急成長し3年生夏は背番号1をつけてマウンドに上がりました。僕にとっては一番仲がいい同級生です。ちなみに、サヨナラで逆転勝ちした時の東海学園大学の竹中大智投手も東邦高校の同級生。高校時代は2番手、3番手だったので同じ2ケタ背番号でバッテリーを組んだこともあります。今でもリーグ戦が終わると一緒にご飯を食べています。優勝決定戦で敗れた愛知大学の小川勇磨一塁手も高校の1年後輩。東邦高校では後輩は先輩にあいさつに出向くことになっており、あいさつを受けました。もちろん僕も昨年までは同じことをしてきました。

 

――硬式野球部は2016年シーズンで、「歴史を創る~今日の一歩が勝利への一歩」を掲げました。在籍した4年間でチームは変わりましたか。

 入部したのは横道政男監督に変わった年でした。入部当時は、高校時代に比べたら厳しさに欠けている感じでしたが、横道監督の指導が行き渡るにつれ緊張感が広がっていきました。さらに、厳しい練習に明け暮れ、野球に対する意識も高い甲子園出場校出身の新入部員が増えるにつれ、部内の空気がどんどん変わっていきました。選手同士が互いに高め合える環境に変わった気がします。

 

――横道監督の指導で身にしみたこととかはありますか。

 3年生春のシーズンでレギュラーを外されたことです。レギュラー捕手として選手たちにかける一言一言が気づかないうちに攻撃的になっているのを横道監督に見抜かれたんです。「そういうのはだめだ」と。試合中はベンチには入れず、グラウンド整備や山の中に飛び込んだファールボールを探し回りました。そういう役割は初めての経験で、ショックでしたが、僕の大きなターニングポイントになったような気がします。野球に向かう姿勢の中で、自分には仲間を思いやる気持ちが欠けていたことに気づいたのです。それでも自分には野球しかない。秋のシーズンでは信頼を挽回できるよう頑張ろうと思いました。

 

――卒業後の進路は決まりましたか。

 社会人野球で都市対抗野球大会への出場実績もある「ジェイプロジェクト」(名古屋)に入れていただくことになりました。居酒屋を経営する会社で、練習は月曜日から土曜日まで週6日。大須の寮からバスで半田市や阿久比町の公営球場などを使って朝8時から午後2時ごろまでです。夜は5時から11時まで、「芋蔵」など居酒屋勤務となります。大学時代には全試合に応援に来てくれていた父親も「大丈夫か」と心配しましたが、中日に行く丸山君、やはりずっと付き合っていて、東邦高校時代は正捕手で法政大学から東邦ガスに進むことになった柴田圭輝君にも相談し決断しました。刺激し合ってきたライバルであり友でもある2人と、プロ野球という同じ舞台で活躍できる日をめざします。

「自分のカラーを見つけ、それを強みに頑張ってほしい」と後輩たちにエールを送る森選手

秋季リーグでは4番、キャッチャーとしてチームを牽引しました

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