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TOHO
INTERVIEW

2016.01.18

【第21回】カリフォルニアの空は真っ青で大きかった。もう少しトランペットとともに歩みたい

愛知東邦大学吹奏楽団 トランペット奏者

濵野梓さん

人間学部人間健康学科4年

濵野梓(はまのあずさ)

愛知県知多市出身。吹奏楽部の活動が盛んな東邦高校を経て2011年に愛知東邦大学に入学。2、3年生の時に吹奏楽団団長。2014年6月~2015年1月、カナダに留学。2015年夏のオープンキャンパスの説明会教室では、高校生たちに愛知東邦大学を紹介しながらファンファーレーでエール。卒業後も音楽活動を続ける予定。

 愛知東邦大学吹奏楽団と東邦高校吹奏楽部の生徒ら112人が2016年元旦、米国カリフォルニア州パサディナ市の新年恒例行事である第127回ローズ・パレードに参加しました。愛知東邦大学吹奏楽団の参加者は10人。4年生でトランペット奏者の濵野梓さんに17日間の演奏旅行と、トランペットとともに歩んだ学生生活を振り返ってもらいました。

――東邦高校と愛知東邦大学の「東邦グリーンバンド」の堂々の行進ぶりを動画投稿サイトで見ました。沿道を埋めた観客もかなり盛り上がっていました。

 9kmに及ぶ行進は2時間半近く続きましたが、両脇も奥深くまで観客で埋まったほか、ビルの窓や屋上からも盛んな声援を受けました。私は先頭の「GREEN BAND JAPAN」の横断幕の後ろ2列目の左端を行進していました。観客の熱い視線と声援がダイレクトに伝わってきました。ローズ・パレードの伝統の重みとともに、アメリカの人たちは心からこのパレードを愛していて、パフォーマンスを受け入れる懐の深さってすごいなと思いました。2時間半がとても短く感じました。行進しながら、カリフォルニアの空は真っ青で、何て大きいのだろうとも思いました。

――高校生だけでなく学生全員もホームステイしたのですか。

 学生10人は4年生3人、3年生、2年生各1人、1年生5人。男子学生2人も含めて全員がホームステイしました。私がお世話になったのは、これまでに5回、グリーンバンドを受け入れている60歳代夫婦と高齢のワンちゃんのいるお宅ですごくよくしていただきました。滞在最後の演奏ステージとなったケネディ高校での、銃撃事件犠牲者を追悼するチャリティーコンサートにはステイ先の家族の皆さんにも来ていただき感動しました。

――カリフォルニアの街をあちこち歩いたわけですね。

 相手が話す英語が全然わからずあせる場面もありましたが、出会った人たちとの会話を自分から切り出したり、通訳的な役割も何とか果たすことできました。カナダでの留学経験がそれなりに身についていたのかなとホッとしながらあちこち歩き回りました。アメリカがハンバーグとピザとステーキの国なのだということを改めて実感しました。おかげで2kgも体重が増えてしまいました。

――トランペットの付き合いはいつからですか。

 兄が金管バンドでトランペットをやっていた影響を受け、私も小学生の時からトランペットを始めました。通っていた知多市の中学校では、進路校選びの参考にするため、生徒たち一人ひとりが高校について調べ、一冊の本にまとめられて配られました。その本で、東邦高校が、吹奏楽がとても盛んな学校だと知り、進学を決めました。中学、高校、大学とずっとトランペットを吹き続けていますが、人の心に勇気を与える華やかさ、時には心にしみ込むような癒しの力が魅力なのかなと思います。大学3年生の夏から、英語をもっと勉強したくてカナダに8か月近く留学しました。向こうで知り合った人たちの中には東日本大震災のことをよく知っていて、被災した人たちのその後を心配してくれている人たちもいました。私はあまり被災地のことは知らなかったので、帰国後の昨年4月、東北支援のボランティアにトランペットを持って参加しました。宮城県石巻市十八成浜(くぐなりはま)の仮設住宅で「上を向いて歩こう」と「花は咲く」を演奏した時、おばあちゃんが涙ぐみながら一緒に口ずさんでいる姿は今でも心に焼き付いています。

――発展途上国の子どもたちに音楽を届ける活動もしていると聞きました。

 途上国でクラシック音楽に馴染みのない子どもたちにオーケストラの生演奏を届ける「ワールドシップオーケストラ」というNPO楽団のメンバーに加えていただき、昨年11月12日~20日、カンボジアを訪れ、プノンペンで開かれた国際音楽祭に参加し、小学校でも演奏してきました。2月にはフィリピンのマニラに出かけます。ボランティア活動なので参加費は自己負担。当然ながらアルバイトもしています。日本の子どもたちは学校で音楽の授業がありますし、幼いころから様々な楽器と関わるチャンスにもあふれています。そんな環境とはかけ離れた子どもたちが途上国にはたくさんいます。子どもたちが、言葉も年齢も、国籍も、性別も関係ない音楽とともに成長できるよう、自分も少しでも役に立てればと思っています。

――間もなく卒業ですね。

 2月6日に名東文化小劇場で開催される愛知東邦大学吹奏楽団の第6回定期演奏会が学生生活の締めくくりになります。昨年2月から名古屋の栄にある音楽事務所に所属し、結婚式での演奏などの仕事もしています。「Trumpeter」の肩書きの名刺も作りましたので、卒業しても就職はせず、アルバイトをしながら、演奏したり、教えることができる場所を見つけながら、トランペットとともに歩む生活をもう少し続けてみようと思っています。愛知東邦大学では職員の皆さんにもいろんな場面で親身に相談に乗っていただきアドバイスもいただきました。この大学で学べて本当によかったと思っています。

「アメリカの人たちがいかにローズ・パレードを愛しているか実感しました」と語る濵野さん

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