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TOHO
INTERVIEW

2016.02.24

【第22回】センバツの感動を甲子園から届けたい。筋書きのないドラマだから野球が大好き

東邦高校硬式野球部後援会事務局長

加藤博幸さん

東邦高校1969 年卒

加藤博幸(かとうひろゆき)

愛知県東海市出身。1966年東邦高校普通科に入学し、ラグビー部を経て軟式野球部。1969年に卒業し東海市職員。2011年の定年退職後、4年間の再任用職員を経て現在も臨時職員として勤務。東邦高校硬式野球部後援会事務局長として2010年から会報『闘魂』を編集。65歳。

 3月20日に開幕する第88回選抜高校野球大会。東邦高校のセンバツ出場は28回目ですが、硬式野球部後援会事務局長の加藤博幸さんも球春の到来を待ちわびる一人です。会報「闘魂」の編集チーフでもあり、「甲子園のスタンドから選手たちの躍動の瞬間をぜひカメラに収めたい。優勝特別号が発行できたら最高」と期待を膨らませています。

――東邦高校時代も野球部ですか。

 入学したのは今から50年前。校舎は名古屋市東区赤萩町、今の千種駅の近くにありました。ラグビー部に入り、1年生ながらフロントのフッカー(スクラム最前列の真ん中)をやらされました。私は、首が太く、押す力は強いのですが、180㎝クラスの相手フッカーとスクラムを組むと低身長のため体が浮いてしまいよくつぶされました。両手の自由が利かないから顔から落ち、顔面けがだらけでした。練習で1日に100回位スクラムを組むと首が動かなくなるほどで、もう体力的にラグビーは、無理だと思うようになりました。夏合宿が終わり、9月まで所属していましたが、友人に誘われ軟式野球部に入部しました。ラグビー部の1年先輩には俳優になった奥田瑛二さんがいたことは後で知りました。

――軟式野球部の練習はどこでしたのですか。

 硬式も軟式も、野球部の練習は現在の愛知東邦大学、東邦高校がある平和が丘のグラウンドでやりました。赤萩町の校舎での授業が終わると、一緒にマイクロバスで移動しました。グラウンドでは、硬式野球部と軟式野球部が背中合わせになる形で練習をしていました。私は、センターを守っていたので、硬式の方の練習ぶりもよく見ていました。硬式野球部には”鬼の阪口” と言われた阪口慶三監督が就任したばかりで部員たちは、懸命でした。現在、愛知東邦大学硬式野球部の横道政男監督は1学年後輩です。また、横道監督のもとで大学硬式野球部のコーチをしている荻巣幹典君のお父さんも高校時代は硬式野球部員で一緒にマイクロバスに乗り込んだ仲間です。

――高校野球の観戦をずっと続けているとお聞きしました。

 東邦高校を卒業して東海市役所に就職しましたが、高校野球が大好きで采配や配球などを読むためネット裏4列目で観戦してきました。最高の試合は1989(平成元年)春のセンバツで東邦が戦後初となる通算4回目の優勝をした決勝戦です。相手は大阪代表の上宮高校。エース山田喜久夫(元中日、広島)の力投。大歓声の中での1点を追う延長10回裏、2アウトランナーなしからのまさかの大逆転劇。歓喜の東邦ナインに背を向け、頭を抱えてうずくまる元木大介(元巨人)の姿がありました。私はこの当時、職員互助会の会報(年4回発行)の部会長をしており、会報にその観戦記を載せました。記事は、「本当に野球は筋書きのないドラマ。上宮には残酷であったが、粘りと執念の差か」と締めくくりました。自分でプレーするもの好きで、就職4年目には所属する課の職員だけでスポーツクラブを作り、昼休みに市役所の裏庭で野球の練習を毎日していました。野球限定のクラブにした際に「ホビーズ」と改名し、監督に就任しました。ナゴヤドームで2004年には30周年記念試合を、2011年には私の監督勇退試合を開催してもらい、選手から胴上げされた感激が今でも忘れられません。

――「闘魂」7号(2014年)の編集後記に「編集に携わるようになって初めてレンズ越しに高校野球を見るようになった」と加藤さんが書いていました。

 「闘魂」の編集に関わるようになったのは2号(2010年)からですが、ホームランや盗塁、クロスプレー等は、偶然に撮影できるわけではありません。投手の配球や監督の采配を読みながら撮影します。撮影ポジションも状況に応じて球場内を動き回り、バットの動きを見ながらシャッターを切ります。1試合で500枚くらい撮りますが、Facebook、LINE、Twitterを通して、選手や選手の親御さんたちにも好きなカットを取り込んでもらっています。「ありがとう」「いい写真ですね」と言われるのがすごい励みになります。次はもっといい写真を撮ってやろうと。加藤博幸で投稿しているので一度検索してみてください。

――愛知東邦大学硬式野球部の写真も撮られるのですか。

 東郷町にある高校のグラウンドと日進市にある大学のグラウンドは近いので、2年ほど前から大学野球部の写真も撮り始めています。昨年5月、東海学園大学グラウンド(みよし市)で行われた愛知東邦大×東海学園大の2部Aリーグの首位決定戦にも出かけました。この時の試合もそうですが、大学野球の各チームには、顔見知りの東邦高校出身の選手がたくさんいます。打てない試合が多くイライラすることもありますが愛知東邦大学にはやはり親近感があります。学生の皆さんにエールを送るとしたら「仲間は宝」という言葉でしょうか。野球はいくら頑張っても一人ではできないように、人生も最大の味方は仲間です。学生時代にぜひ、一生付き合っていける仲間を作ってほしいと思います。

28回目のセンバツ出場を特集した「闘魂」9号

センバツ出場決定で東邦高校校長室に詰めかけた報道陣とともにカメラを向ける加藤さん(左端、1月29日)

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