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寄 付

TOHO
INTERVIEW

2017.11.10

【第43回】なでしこに最後まで挑んだ女子サッカー部 皇后杯大会に帯同できたことに感謝

女子サッカー部トレーナー

鈴木匠さん

人間健康学部人間健康学科4年生

鈴木匠(すずき・たくみ)

岡崎市出身。岡崎城西高校時代は硬式野球部の球児。愛知東邦大学ではATTO(愛知東邦トレーナー組織)に入部し3年生では部長。誘ってくれたATTO先輩とともに2年生から女子サッカー部トレーナーに。学生生活最後の年に女子サッカーの最高峰舞台でもある皇后杯大会を体験。就職は決まっていますが、インカレベスト8入りを目指し、選手たちをサポートする日々がまだ続きます。

皇后杯全日本女子サッカー選手権大会に初出場の愛知東邦大学は11月4日に長野県佐久市で開催された2回戦で、なでしこ1部リーグのちふれASエルフェン埼玉と対戦。0-1で惜敗したものの、最後の最後まで勝負をあきらめなかった女子サッカー部の大健闘が光りました。トレーナーとして出場した人間健康学部4年生の鈴木匠さんに聞きました。

――皇后杯大会2回戦でなでしこチームのちふれ相手に21本のシュート攻勢をしのぎ続けて後半89分まで0-0。驚異的な粘りでした。

相手はなでしこ1部リーグのチーム。さすがにスピードがあり、体格もすごかった。女子サッカー部の選手たちは本当に粘り強く頑張ったと思います。ベンチで見守っていて選手たちの必死さが伝わってきました。試合を終えて選手たちが涙ぐんでいたのはよほど悔しかったからに違いありません。最後の最後まで可能性はゼロではないと信じて頑張ったのです。実際にワンチャンスがあれば点が入ったかも知れません。榊学長は女子サッカー部が、新しい歴史を刻んでくれたと話していましたが、僕もトレーナーとして皇后杯大会に連れて行ってもらえ、歴史的な舞台に立ちあえました。女子サッカー部の選手たちに大感謝です。

――皇后杯大会という大舞台でしたがトレーナーとしてはどんな点に気を配りましたか。

何と言ってもこれまでの相手とはスピードも体格も違う。コンタクトスポーツなので、激しくぶつかり合う中でけがもあったりする。どんな状況にも対処できるよういろんな想定をしていました。四日市で行われた1回戦は、神村学園高等部(鹿児島)との対戦でしたが、後半は激しい雨で寒かった。グラウンドに水溜りができるほど足元が悪くなり、選手たちが足首を痛める心配もあったし、ボールが水溜りで止まり、蹴り返す時の捻挫も心配されました。2回戦では後半に永坂友美選手(3年)が相手選手に激しく攻められ負傷交代しました。トレーナーとしてすぐに様子を見に行きましたが、太ももに相手選手の膝が入った〝ももかん〟と言われる負傷でした。普通はプレーが続行できるかどうかベンチにジェスチャーしますが、後半83分で0-0、相手が押している展開だったこともあり、米澤好騎コーチの即断で山田聖乃選手(1年)に交代しました。

――21本のシュート攻撃に立ち向かったGKの川上日菜乃選手(3年)の守りは本当にすごかったですね。

川上選手は本当にナイスキーパーでした。練習ではいつも黙々とボールを蹴ったりしている選手ですが、大試合ではやってくれる選手。その強さが出たのかなと思いました。3年間チームにいて、今年特に感じたのは、個々の選手の意識の高さに加え、スタメンで出ている4年生たちが高い意識で全体を引っ張ったこと。特にキャプテンンの中村陽(みなみ)選手は「みんなで頑張っていこう」という気持ちがすごく強い。みんなの気持ちが一つになったことが驚異的な粘りにつながったのだと思います。

――試合でのトレーナーはどんな役割をするのですか。

試合前のウォーミングアップでのブラジル体操やダッシュなど、試合終了後、翌日に疲れが残らないためのストレッチ体操などのケア、けがをした選手へのテーピング、リハビリ措置などです。捻挫の時はアイシングをして様子を見て、腫れがひどい場合は医者に見てもらいます。試合の時はアイシングをすぐにあてられるよう備えています。最初のころはテーピングがうまくできなかったり、リハビリで戸惑うこともありました。選手には申し訳なかったと思っています。

――愛知東邦大学では1年生からATTOに入ったのですか。

高校の先生から、愛知東邦大学ならトレーナーについて実践的に学べるATTOがあることを教えてもらっていましたの、入学してすぐに入部しました。教職をめざす人とかいろんな人がいますし、学生トレーナー同士、他大学との交流もあります。全国レベル、中部地区レベルでの交流で、いろんな競技でトレーナーをしている学生たちと交流することができました。

――充実した4年間でしたか。

1年生の時はATTOで火、木曜日だけの活動でしたが、2年生6月から女子サッカー部のトレーナーとしての活動が中心となり、毎日活動するようになりました。授業が終わって午後4時10分にバスで日進グラウンドに向かい午後9時まで練習。バスで戻ってからの帰宅ですから家に帰ると11時半でした。それでもいろんな大会やいろんな場面を体験し、刺激的な日々を送ることができました。女子サッカー部のみんなと一緒にいられて本当に充実した日々を送ることができました。

――学生生活を振り返って、後輩学生に一言お願いします。

愛知東邦大学は大きな大学ではない分、人と関わる機会がたくさんありました。教室移動でもみんなと顔を合わせるわけですから、互いに悩んでいることでも話せます。学生時代は、自分で考えて、まず行動することが大切だと思います。トレーナーの体験もそうですが、とにかく自分でやってみないと全ては始まりません。待っているだけではだめ。自分で考えてチャレンジすることで有意義な学生生活が体験ができると思います。

「待っているだけでなく行動すること」と語る鈴木さん

80分過ぎ、永坂選手の負傷でピッチへ

皇后杯大会2回戦でちふれとの激戦を終えて

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