2018年春の愛知東邦大学海外研修が2月25日から3月10日まで行われました。参加したのは1年生を中心にした12人で、フィリピンのサンカルロス大学で、「英語研修とボランティア活動」の2週間のプログラムを体験しました。「充実した初めての海外体験でした」という山本玲子さんに2週間を振り返ってもらいました。
――サンカルロス大学での研修プログラムはどうでしたか。
全部が新しい体験でとても充実しました。参加してすごく良かったです。私は中学、高校と海外旅行に行けなかったので、大学生になったらぜひ海外に行こうと思っていました。プログラムは英語研修と4回のボランティア活動が中心。ストリートチルドレンの保護施設訪問や孤児院でのボランティア活動では、施設の人たちとのコミュニケーションも含めて、なぜ、これだけ多くのストリートチルドレンが生まれてくるのか、その社会的、歴史的な背景を自分なりに探り、学びました。 ――ストリートチルドレンの子どもたちは多かったですか。 滞在したセブ市は、フィリピン中部のセブ島では最大都市で、人口は72万人。サンカルロス大学のすぐ横にあるホテルに宿泊しましたが、朝、大学に向かうまでの、わずかな距離の道沿いにもチルドレンたちが座っていました。大人に近い〝チルドレン〟もいました。いろいろ調べてみると、家のある子もいれば、ない子もいる。家はあっても、親がひどい状態で、家に帰りたくなくてストリート生活をしているケースもありました。お金を得ようとストリートに出て来るのですが、仕事はなく、盗みに走る子も出てくる。そして、道行く人たちに手を差し伸べているわけです。
――どんなボランティアをしたのですか。
ストリートチルドレンの保護施設で、食事を作って提供している、お母さんみたいな役割をしている人の仕事を手伝いました。子どもたちが受ける授業も一緒に受けたりしました。住み込みで働いている20歳くらいの女性がいて、部屋で、自分に生い立ちも含めていろんなことを話してくれました。英語での会話は何となく分かりました。分からない点は、引率の先生が解説してくれました。私からの質問は単語をつないで行くしかありませんでしたが何とか通じました。
――自宅通学なのに、どうしてラーニングハウスの活動に関わっているのですか。
1年生後期から始まった「東邦プロジェクトA」の授業を受けたのがきっかけです。講師がラーニングハウス管理責任者でもある阿比留大吉先生で、授業のテーマが、ラーニングハウスがもっと稼げるためにはどんな企画が必要かなどアイデアをひねり出すことでもありました。ゲストハウスの運営などの実践を通して、経営の視点とかビジネスの考え方が、次第に分かってきました。私が経営学部を選んだのは、将来の自分に何かは役立つだろうという漠然としたものでしたが、「東邦プロジェクトA」の授業がきっかけで、〝経営やビジネスってこんなに面白いのか〟と思うようになり、実際のゲストハウスの運営など寮活動にも関わるようになりました。
――ラーニングハウスの活動を終えてからの帰宅はかなり遅くなるのでは。
岐阜市の自宅からJR岐阜駅まで15分近く車を走らせ、JR、地下鉄東山線を乗り継いでの通学には1時間半近くかかります。帰りは終電になることもしばしばです。翌日に1時間目の授業がある時は早く帰っていました。2年生からは寮生活ができるよう、親を説得中です。
――どうして愛知東邦大学を選んだのですか。
将来の夢は東京で警視庁の警察官になることです。中学生時代に見ていたテレビで、「SPEC」という、警視庁公安部を舞台にしたドラマに興味を持ち、高校時代はさらに夢が膨らみました。高校で剣道部に入ったのは、逮捕術にもつながり、少しでも有利ならやっておこうと思ったからです。愛知東邦大学を選んだのは、公務員になるために勉強がしっかりできそうな大学を探していたら、「東邦STEP」という公務員を目指すために学べるコースがあったからです。実は私は現役時代を含めて国立大学受験に2回挑戦し失敗しました。2年間頑張ってだめでしたが、ぜひ、この大学でしっかり勉強してぜひ、夢をかなえたいと思ったからです。
――新入生にアドバイスはありませんか。
自分は1年生の後期に受講した「東邦プロジェクト」で大きく変わりました。座学とは違った、実践を通した学びがきっかけで、経営学にも興味を持つことができました。フィリピンでの海外研修も、私にとっては、「東邦プロジェクト」で体験できた、行動を通して学ぶアクティブ・ラーニングの実践でした。ぜひ、大学生活では、「東邦プロジェクト」の授業を通して、主体的な、実践を通した学びを深めてほしいと思います。