女子サッカー部は創部以来「感謝」と「笑顔」を忘れずに、「日本一応援されるチーム」をめざしてきました。そして2020年は、チーム目標に「インカレ日本一」を掲げました。38人の部員のうち11人を占める4年生の中から選ばれた新リーダー、キャプテンの田中さん、副キャプテンの山田、山下さんに意気込みを語ってもらいました。
――キャプテンには自ら手を挙げたのですか。
田中 3月に新年度の体制を決める部会があり、立候補しました。副キャプテン2人も「やりまーす」って手を挙げてくれたのでとても心強く思っています。私と山下さんは2人とも3年生の時はけがに泣き、インカレにも出場できませんでした。チームに迷惑をかけた分、やれるならやろうと思いました。
山田 4年生たちは、みんな若干は立候補してやろうかという気持ちはあったと思いますが、田中さんに関しては、1年生の時から、「キャプテンは梨華ちゃんだよね」という感じでした。
――今年は4年生11人、3年生7人、2年生12人、1年生8人で38人。久し振りの大所帯チームですが、目標も「インカレ日本一」を掲げましたね。
田中 チーム作りでは、部員一人ひとりが、ただついて行くのではなく、こうしたいと主張できるチームにまとめて行こうと思います。自分で考えて行動していくチームです。そして、今年のチーム目標を昨年までの「インカレベスト8」から一挙に「日本一」に高めました。部全体で今年度の目標を決めるにあたっては、各学年で事前に話し合った案を、学年代表が持ち寄って話し合って最終決定しました。年末のインカレ会場は、ベスト8までは兵庫県三木市の総合防災公園ですが、ベスト4(準決勝)からは年を越してから東京の味の素フィールド西が丘に舞台を移します。「日本一」に決まったのは、2年生代表からの「東京に行きましょう」「目標は日本一がいい」という提案がきっかけとなりました。私もめざすなら、中途半端ではなく上をめざそうと思いました。
――「日本一」の目標を掲げた2020年度シーズンはコロナで出鼻をくじかれました。
田中 4月7日から練習が中止になりました。6月8日からグループに分かれて練習を再開するまで2か月間、部員一人ひとりが一人ぼっちになりました。日本一という高い目標は掲げたものの、インカレそのものがあるかどうかも不透明。しかし、何としても部員のモチベーションを維持し続けなければと思いました。
山下 毎年、GW中に御殿場で合宿が組まれるなど新年度のチームづくりに一丸となっているはずの時期なのに活動自粛。不安で仕方がありませんでした。どうやってチームを作っていくんだろうと。
山田 2か月間、とにかくみんなとボールを蹴りたいとずっと思っていました。これまで、みんなと蹴り合うという当たり前のことが出来なくなった。一人で蹴っていましたが、たまらなくなって、日進グランドまで出かけたんですが、門は閉まっていました。今年のインカレはあるのだろうか、4年生だし、もうこのまま引退かなあとも思いました。
――それでも4月には週1回のオンライン練習が始まりましたね。
田中 ヨネさん(米澤好騎監督)の対応が本当に素晴らしかったです。トレーナーさんに依頼して4月22日から週1回でスタートしました。
山田 みんな自宅か外で、スマホのZoom画面をみながらトレーニングに励みました。みんなの顔が見れなくて悲しかった時期だけにオンライン練習は心の支えになりました。
山下 一体感が持てた貴重な時間帯でした。
――大学で4年間サッカーをやってきて特に印象深い思い出は何ですか。
山田 2年生だった2018年、インカレ本番直前にインフルエンザ発生源になってしまいチームに迷惑かけたことです。泣きながらヨネさんに電話しました。1回戦では明治国際大に2―1で勝ったんですが、2回戦の徳山大戦ではチームにインフルエンザが広がり、8人がピッチに立てず、1―3で敗れました。やっと駆け付けた会場応援席では、悔しさと申し訳なさの中で、祈るような思いで声援を送りました。
山下 私と梨華ちゃんは1回戦から出場しましたが、私は2回戦前日に熱が出てしまい、2回戦前半を終えたところで退きました。でもそれ以上に悔しかったのは昨年(2019年)梨華ちゃんと一緒ですが、大けがで試合に出れなかったことです。インカレ2回戦では早稲田との対戦も応援するしかありませんでした。
田中 でも応援は楽しかったですよ。1回戦は地元兵庫の姫路獨協大に2―0で勝って早稲田との対戦に持ち込みましたが、アウェイ格の愛知東邦大はマーチングバンドの力強い応援がホーム格の姫路獨協を圧倒した感じでした。私は大阪桐蔭高校出身ですが、吹奏楽団は甲子園での野球部だけでなく、サッカー部の応援にも来てくれていました。高校時代から、応援の力って本当にすごいなと思いました。
――東海女子サッカーリーグは9月6日から始まります。まだまだコロナの不安はありますがぜひ頑張って「日本一」に挑戦してください。
田中 ありがとうございます。自分的に付け加えるなら、見に来てくださる皆さんがワクワクするようなサッカーをしたいと思います。選手たちにいいプレーが次々に出て、盛り上がるような試合でしたら、見ている方々も楽しいと思います。プロサッカーの試合もそうですよね。そういう試合をぜひしたいです。応援、よろしくお願いします。