2020年の全日本大学女子サッカー選手権大会(インカレ)では、7年連続8回目出場を逃した女子サッカー部。リベンジを目指す2021年シーズンは早くも熱い戦いが続いています。34人の選手を率いるキャプテンの木村菜々花さん、副キャプテンの鈴木佐季さん、岡樹さんの4年生3人に抱負と決意を聞きました。
――キャプテンとしての抱負を聞かせてください。
木村 昨年はインカレ本戦に出場できず、部員全員が悔しい思いをしました。今年も繰り返してはならないとことなので、東海リーグ、学生リーグ、リーガリーグの個々の試合を大切に戦い、全ての試合で勝ちを目指していきます。愛知県の大学チームは愛知東邦、中京、名古屋経済の上位校が激しくせめぎ合う下克上状態になっています。下克上を制して、やはり東邦は強いんだぞということを見せつけていきたいと思います。全員で、みんなで、ともに、という形を大切にしていこうというのが2021年の方針です。そのうえで、インカレ本戦を勝ち進んで日本一にというチーム目標を掲げました。
個人的にはスタメン出場できず、1年生の時からずっと悔しい思いをしてきましたので、今年こそはスタメンに入りたいという思いがあります。今はセカンドチームいるので、練習の中の紅白戦とかでスタメン組と戦う時には、いい刺激を与えられるよう意識して臨んでいます。自分らがスタメンに食い込めるよう頑張ることの相乗効果でのチームの底上げに貢献できれば思っています。
――副キャプテンとして鈴木さん、岡さんの決意は。
鈴木 キャプテンも言ったように、チームみんなでやっていくという方針なので、ついてこれない部員たちの力にもなりながら、部全体をサポートしていきたいです。自分自身もチームに活気を与える存在になりたい。昨年9月に手術して長いリハビリが続きましたが、復帰も間近なので、復帰した時はチームに活気を与え、勝利に貢献できるようなFWをめざします。
岡 自分は人と話すのが好きなので、縦の関係を大事にするためにも、下の学年、同期を巻き込みながら、コミュニケーションを増やしていくことを心掛けていきたいです。
――コロナ禍、感染対策にも気を配らなければなりませんね。
木村 チームは34人の選手と米澤好騎監督らスタッフ8人。不要不急の外出は避けるとか基本的には各自が気をつけなくてはなりません。とにかく感染しないことが大事です。もし部員の誰かが感染したら、女子サッカー部がクラスターになってしまう可能性が非常に高いわけですから。練習でも、最初はヨネさん(米澤監督)から、「気をつけよう」という注意から始まっています。部員一人ひとりの自覚も浸透していると思います。
――木村さんは高校時代から愛知東邦大学でサッカーを続けようと決めていたのですか。
木村 安城学園高校時代は、愛知県高校サッカーの〝女王〟に君臨する聖カピタニオに食らいつき、決勝戦での勝利を目指すファイナリストのつもりでサッカーに打ち込んできました。しかし、大学でもサッカーを続けていくかどうか、最初迷いました。小、中、高とずっとスタメンで試合に出させてもらってきましたが、大学では入部する時に練習を体験させてもらって、先輩たちの高い技術とパワーを前に、「この人たちすげーわ」と圧倒されました。「ここに入ったら、4年間試合に出れないかも知れない」とも思いました。しかし、一方で、「ここなら絶対に楽しいサッカーが出来る」とも思って入部を決めました。実際には、まだ試合には出れていませんが、絶対に試合に出てやろうという思いは今でも変わりません。
――鈴木さんは大阪桐蔭高校からUターンで愛知に戻った形ですね。
鈴木 豊田市出身なので、中学時代は豊田LFC(豊田レディース )に所属していて、自分らの代で初めて全国大会に行きました。豊田LFCには中学生から入れる大人チームもあって、東海女子サッカーリーグに所蔵していて、私もそこで愛知東邦大学と戦った経験があります。大阪桐蔭には関西圏を中心に力のある子たちが来ていました。私も2年からはベンチスタートで出場したり、3年ではスタメンで出れた時もありました。大学も愛知県外に行こうと思っていましたが、もう帰って来なさいという親に迷惑かけられないなと思い、サッカーができる環境がある愛知東邦大に決めました。
――2021年シーズンが動き出しました。チームは初戦から快調に見えますが。
鈴木 東海リーグ初戦は勝ちにこだわるという面で、勝てたのは良かったですが、ワンチーム一丸という点ではまだまだ向上していくべきだと思います。そこを含め、キャプテン、副キャプテンの3人プラス他の4年生組を含めて、底上げできる力になれたらなと思います。
――岡さんは山口県の中学校から大分県の柳ヶ浦高校を経て名古屋に来たわけですね。
岡 サッカーは小学生から始めましたが、私の生まれ育った萩市には中学生が入れるクラブチームがなく、萩東中学校のサッカー部出身です。部員は男子だけでしたが、3年生の時、校長先生にお願いして、下の子も誘って女子4人で入部しました。男子たちは、体力差はもちろんですが、スピードもすごかったです。でもサッカーをやれる楽しさに夢中になり、家族も応援してくれました。柳ヶ浦高校の女子サッカー部には、九州を中心に選手が集まっていましたが、学校周辺は田んぼが目立つ田舎でした。萩市にも高い建物はありませんでしたから、名古屋に来て、とにかく建物が高いなと驚き、ずっと見上げていました。これまで応援する方が多かったですが、4年生になって初戦である東海リーグ開幕戦では最後に出させていただく機会をいただきました。これからも、自分の長所を生かしながらチームに貢献できる選手になれたらいいなと思っています。
――最後にキャプテンとして特に活躍を期待している選手は。
木村 今年は人間健康学部の入学式で女子サッカー部の沖田有由が新入生代表として宣誓するなど、5人の1年生部員がみんな元気いっぱいで期待しています。チーム全体の期待の星はやはり3年生の神谷千菜です。技術はもちろんですが、大きな大会での試合経験も豊富で存在感が大きい。もちろん私や鈴木、岡も含め全員の活躍に期待しています。自分自身の出場チャンスもつかんだうえでチーム全体を盛り上げていければと思っています。