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TOHO
INTERVIEW

2023.02.21

第90回 日本人の親友を通して興味を抱いた第2言語研究を授業に生かす

経営学部国際ビジネス学科

ジョーダン・ロルフ・ジョンソン 講師

JordanRolfeJohnson
アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼ市出身。カリフォルニア大学デイビス校卒(政治学学士・心理学学士[二重専攻])。テンプル大学大学院教育学研究科修了(教育学修士)。2019 年から現職

ジョンソン講師は第2言語(母国語以外の言語)習得が研究テーマで、授業にも研究成果を反映した実践的な英語教育を取り入れています。生まれ故郷の思い出や日本に興味を持った理由、趣味のDIY(古民家をゼロから改修したそうです!)について聞きました。

――出身地のサンノゼ市はどんなところですか?
 サンノゼ市は一般にシリコンバレーの首都と呼ばれています。(サンノゼ市の人口が100万人程度、シリコンバレーの人口が400万人程度です)Apple、MD、Cisco、HP、Intel、Meta、Netflix、Nvidia、そしてTwitter など、多くのテクノロジー企業の本拠地であり、おそらく世界で最も影響力のあるテクノロジーセンターです。世界中の人々が集まっているので、ほぼ全ての文化圏と言えるほど多くの本格的・伝統的な食べ物を簡単に手に入れることができます。中でもメキシコ料理が私のお気に入りです。道端やスーパー、レストランでは、ベトナム語や中国語、スペイン語を毎日のように耳にします。「国際的」「グローバル」といった言葉を聞くと、故郷のことを思い出します。

――そこでの子ども時代はどんなでしたか?
 幼少期はトランペットとユーフォニウムを7年ほどやっていました。ボーイスカウトにも入っていました。両親はお小遣いをくれなかったので、やりくりを工夫しなければならず、12歳ごろから私は「子ども起業家」になりました。近所の人を相手に、芝刈りや雑草抜き、犬の散 歩、車の洗車をそれぞれ5ドルで請け負い、貯めたお金でテレビゲームを買いました。ゲームは今でもやっています。よく学生に、「皆さんが生まれる前からマリオカートをやってたんだよ」なんて冗談を言っています。

――日本に興味をもった最初のきっかけは?
 親友が日本人だったことです。小学校6年生(アメリカでは中学校1年生)の時に吹奏楽部で出会い、それからずっと親友同士です。彼はアメリカ生まれの日本人です(彼の両親はSONYに勤めており、彼が生まれる前に日本からシリコンバレーへ転勤して来ました)。中学・高校時代、私たちはよくお互いの家を訪れて、「スーパースマッシュブラザーズ」や卓球で遊びました。彼の家にはこたつがあり、お母さんがよくお好み焼きを作ってくれました。彼のお母さんはほぼ日本語で彼に話しかけ、それが私にはとても魅力的でした。その家には今でもたくさんのすてきな思い出があります。私はアメリカの大学へ進学しましたが、彼は東京の大学へ進学しました。私たちはFacebookを通して交流を続け、毎週のようにオンラインでゲームをしました。大学1年生の時、卒業したら彼を訪ねに日本へ行こうと決め、4年間サーティワンアイスクリームで働いて資金を貯めました。2010年に大学を卒業した後、東京を2週間訪れ、素晴らしい時間を過ごしました。旅費の全てを自力で支払ったことは、とても誇りに思っています。

――日本で活動を始めたきっかけは?
 2週間の滞在を終え、私はもっと長い時間を日本で過ごしたいと思い始めました。また、 2008 年の金融危機の影響で、2010 年のシリコンバレーでは求人がほとんどなかったことも理由の1つです。文科省が日本の公立学校で英語を指導する「JET Program」を行っていると知り、応募しました。実家を出て、世界を探検し、仕事をすることができたので、採用された時はとても幸せでした。

――第2言語習得のモチベーションが研究テーマですね。日本の学生が英語習得のモチベーションを持つきっかけとなるよう、どんな指導を心掛けていますか?
 私は言語が「学習」または「習得」されるものであるという考えにはあまり焦点を当てていません。大学生という年代を対象とした場合は特にそうです。その考えは、ある種の測定可能な終点(TOEICスコアなど)を暗示していると思うからです。私は今でも毎日のように新しい英単語や表現に触れていますが、生徒たちも日本語で同じ経験をしているはずです。私は、「学習」や「習得」の代わりに英語をコミュニケーションの有意義なツールとして「使用」するよう動機づけることを試みています。使ってみて失敗したり、間違えたりしても構いません。

――「習うより慣れろ」ということですか。
 他の技能的なもの(楽器演奏、スポーツ、またはマリオカートのようなビデオゲームなど)の練習と同様に、習熟への道には次のことが含まれると思います。1.英語話者(自分より堪能な人)を観察する。2.自分とその英語話者の習熟度の差に気づく。3.気づいた差を埋めるための有意義なアウトプットを作りだす。4.アウトプットの試みで何がうまくいき、何がうまくいかなかったかを振り返る。5.プロセス全体をやり直し、必要に応じて調整する。
もちろん、「言うは易く行うは難し」です。

――漫然とした「慣れ」ではだめなんですね。具体的にはどんな授業をしていますか。
 テストの点数は、一歩教室を出ればそれほど役に立たないでしょう。そのため私の授業では、後に実際に使用できるような、応用可能な 技能に焦点を当てたプロジェクト活動をよく行います。(たとえば、ビジネス英語の電子メールを送信する、英語でPowerPointプレゼンテーションを作成したり、英語のWebサイトのデータをExcelで編集したりするなど)

――古民家をすべてDIYで修繕して住んでいると聞きました。きっかけは。
 2008年の金融危機以前、私の家族の年配の友人たちは、自分の財力をはるかに超えた生活をしていました。当時、彼らの贅沢なライフスタイルは、私や周囲の人々にとって、ごく普通であると見なされていました。米国経済は明らかにバブル状態でした。大学最後の2年間になると、生活が崩壊し、住んでいた家を手放すことになった多くの人々を見るようになりました。それはメルトダウンに他なりませんでした。 この経験が私を目覚めさせ、個人金融に興味を持たせ、身の丈に合った生活することを教えてくれました。金融危機は、おそらく私がこれまでに得た最も重要な「大学の教訓」でした。
 古民家を購入したのは2017年で、私はほとんど何の技能も持たずにリフォームを開始しました。それ以来、私はYouTubeとインターネットから、独学でかなり多くのことを学びました。畳の部屋をフローリングに変えたり、壁紙を張ったり、コンクリートを敷いたり、エアコンやシーリングファンを取り付けたり、壁一面を壊したり、水道管や蛇口を変えたり、外壁を塗装したり、窓やドアを交換したり…ほとんど何でもです!
 でも、人件費を節約しているので、材料は高品質の物を購入することにしています。また、「欲しい道具は何でも買える」こともルールにしています。これが気に入っています。(笑)

「母姉と本場ディズニーランドで(5歳)

紀北町和太鼓公演で勇姿(23歳)

真夏にフローリングを張り替える

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