東邦高校硬式野球部を15年間にわたって指揮した森田泰弘監督(60)が引退し、4月1日、コーチからバトンを引き継いだ山田祐輔新監督(29)とともに記者会見を行いました。森田監督は2004年秋から東邦の監督を務め、昨年春には平成最後となった第91回センバツで優勝、東邦をセンバツ最多となる5回目優勝に導きました。
森田さんと山田新監督は記者会見に先立ち、部員たちに監督交代を報告。午後3時から、榊直樹理事長とともにオーバルランチホールでの会見に臨みました。
森田さんは「35年前、阪口(慶三監督)先生のもとで20年コーチしたこと、15年の監督時代がフルカラーでよみがえります。すべてがいい思い出です。藤嶋を擁した夏の甲子園98回大会で八戸学院光星との試合では9回に大逆転。球場全体がタオルを回して東邦高校を応援していただいたあの光景は、戦後の甲子園ではなかった光景でした。昨年の平成最後のセンバツでは優勝宣言をして優勝できました。そうした試合が強く思い起されます」と振り返りました。
榊直樹理事長は、「東邦学園は今年、創立98年目に入りますが、野球部の活躍なくして学園の歴史は語れません。森田監督は学校では一職員でしたが、野球を通して、教育者として選手たちを立派に育ててくれました」と功績をたたえました。
榊理事長によると、森田さんは4月から、東邦学園野球部の総監督に就任。高校硬式野球部、愛知東邦大学硬式野球部の後方支援の役割を担います。
山田新監督は2008年夏に東邦が甲子園に出場した時のキャプテン。捕手ながら北海高校の鍵谷陽平投手(現巨人)から1回、先頭打者本塁打を記録しました。進学した立教大学でも野球部で、会社員を経て2016年から東邦のコーチに就任。愛知東邦大学で教員免許を取得し、東邦高校の保健体育教員も務めています。
「森田監督からは選手時代、野球への熱、愛を教えていただき、私にとっては父親のような存在。森田野球を引き継ぎながら私の色を加え、森田監督を越えられるような野球部を作っていきたい」と力強く抱負を述べました。
会見場には森田さんの高校時代の同級生や教え子たちも駆けつけました。同級生である第29回卒業生の「二九会」会長の大河哲男さん、1000人を超える教え子の中から代表で山田喜久夫さん(41回生)と石塚慎吾さん(40回生)が花束を贈りました。祝電も多数寄せられ、中日ドラゴンズの丸山泰資、石田健人マルク、藤嶋健人、石川昂弥の4選手連名からのメッセージも披露されました。