東邦学園創設者である下出民義氏ら、中部の産業発展に尽くした産業人・技術者ら革新的な人物に焦点を当てたパネル展が11月29日まで名古屋都市センター(中区金山)で開催されています。パネル展では、福沢桃介とともに名古屋地区の工業化を推進した下出民義氏、大同製鋼など45社の経営に関わる一方で東邦商業学校の教育や大同工業学校の設立にも関わった下出義雄氏、名古屋帝国大学時代から超高圧電子顕微鏡の開発に関わった榊米一郎・元豊橋技術科学大学学長(元東邦学園評議員)らを含めた36人を紹介しています。
パネル展は中部産業遺産研究会(会長・黒田光太郎名古屋大学名誉教授)の主催で講演会と合わせて16回目の開催。パネル展は11月3日から同センター11階「まちづくり広場」で開催されています。「ものづくり」について、「革新実業家」18人、「技術の革新者」16人、「基盤の革新者」2人の計36人の足跡を紹介しています。
「革新実業家」では下出民義氏を「真面目が肝要~中部財界を支えた重鎮~」として、下出義雄氏を「裸の心を持つ人~実業界と教育界に新しい風を吹き込む~」として同研究会会員の朝井佐智子さんがまとめています。
榊米一郎氏については「基盤の革新者」として黒田会長が「大きいことはいいことだ 超高圧電子顕微鏡~豊橋技術科学大学初代学長は電顕屋だった~」として紹介しています。
11月21日午後には、「ものづくり中部の革新者たちⅡ」をテーマにした会員5人による講演会も開催されました。日本電子顕微鏡学会の元理事でもある黒田会長は「榊米一郎豊橋技科大初代学長と超高圧電子顕微鏡」のテーマで講演。
日本における電子顕微鏡開発に関わった榊米一郎氏の研究者として足跡、妻の榊文子元東邦学園短大学長(下出義雄氏の長女)ととともに、全国でもめずらしい夫婦学長として豊橋技術大学学長を務めたエピソードも紹介しました。
講演会には米一郎氏の二男である榊裕之・前豊田工業大学学長、三男である榊直樹愛知東邦大学学長も姿を見せ、司会者の要請に応え、それぞれ父米一郎氏の思い出を語りました。
パネル展での紹介者などは中部産業遺産研究会ホームページをご覧ください。