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2020.12.07

76前の空襲犠牲者悼み「慰霊の日」

 太平洋戦争末期の1944年12月13日、名古屋市東区の三菱重工業名古屋発動機製作所大幸工場で勤労動員中、空襲の犠牲になった旧制東邦商業学校の生徒・教師ら22人を追悼する「慰霊の日」と献花式が12月7日午後1時から、東邦高校内「平和の碑」前で行われました。

 今年は新型コロナウイルス感染拡大予防のため、愛知東邦大学一般職員は参列を取りやめ、学園関係者と東邦高校教職員、生徒会代表らのみの参列となりました。

 例年参加している東邦商業第19回生同期会である「辰巳会」ら卒業生たちの参列も学園からの要請でありませんでした。

 榊直樹理事長は、追悼の言葉の中で、旧制八高時代、やはり三菱重工業名古屋発動機製作所に動員され、空襲を体験した哲学者の梅原猛さんの随筆を紹介。友人の入る防空壕に一緒入って難を逃れた梅原さんが、「私が本来入るはずだった防空壕には直撃弾が命中し、中にいた勤労動員の生徒たちが青ざめた顔で死んでいた。いたる所に焼け焦げた死体が放置されていた」と、76年前の悲劇の追体験とも言える様子が生々しく書かれた一節を読み上げました。

 続いて東邦高校生徒会長の立石希進さん(2年生)が、「慰霊の日は、空襲で亡くなられた方々のご冥福を祈りながら、戦争とは何か、平和な社会を実現するには何をなすべきかを改めて考え直すためのものです」「二度と同じ過ちを繰り返さないために、次の世代に平和を継承するために活動していくことを誓います」と誓いの言葉を述べました。

 この後、女子生徒1人が参列者を代表して献花。全員が黙とうを捧げ、式典を終了しました。

 式典に先立ち、東邦高校では藤本紀子校長が各教室の全校生徒向けにオンライン動画による講和を行いました。藤本校長は「戦争を語り継ぐ世代がどんどん高齢化していく中、その担い手に私たちがなれるようにしていきましょう」と訴えました。

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