「なごや平和の日」の5月14日、名古屋市中区役所ホールで「なごや平和祈念式典」が開かれ、ロビーには東邦高校美術科有志による「戦後八十年 平和祈願図屏風 過去現在未来」が飾られ参加者を出迎えました。5月14日は空襲で大勢の犠牲者が出たうえに名古屋城が焼失した日にあたります。
東邦高校生徒会が11年前から名古屋市に働きかけたのがきっかけで「なごや平和の日」は制定されました。その実話を元に、その後の若者たちの平和への想いを描いた映画「80年後のあなたへ」が作られ、16日から公開されます。今年の式典には、映画の出演者が登壇してトークショーも開かれました。
ロビーに飾られた「平和祈願図屏風」は、大勢の参加者に交じって名古屋市の広沢一郎市長や田中里佳市議会議長らも見入っていました。また制作過程を報告した「東邦キャンパス141号」が添えられ、説明を読み込む人もいました。その中の一人、戦争と平和の資料館「ピースあいち」の宮原大輔館長は「東邦高校は何年も前に戦争の語り部を招いて美術科の生徒たちが思い思いに創作する活動をしていて、われわれも協力してきました。『平和の日』制定は生徒会の表の活動の成果だが、そういった地道な取り組みが、この屏風に繋がったと思います」と活動をたたえました。
式典では広沢市長の挨拶に続き、田中議長が式辞の中で「屏風を初めて見ましたが、素晴らしい作品ですね。若い人たちの未来につながっている絵だと思います」と真っ先に屏風を取り上げました。また熱田区で名古屋空襲を体験した中野見夫さんは講演の中で「平和の日制定に繋がる活動を続けた東邦高校に拍手を送りたい」と思わぬエールを送ってくれました。中野さんも東邦高校で戦争体験を語ったことがあるそうです。 最後のトークショーでは、映画の出演者の渡邉このみさん、中川翼さん、村上なずなさんの3人がそれぞれの平和への想いを語りました。また渡邉さんらは式典の前に、会場を訪れた榊直樹理事長から屏風の説明などを受けていました。
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2025.05.14