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2025.12.09

「慰霊の日」に98歳OBも献花

 「東邦学園慰霊の日」の献花式が、129日東邦高校正門わきの「平和の碑」前で行われました。
 81年前の19441213日、三菱重工業名古屋発動機製作所大幸工場が米軍機の空襲に遭い、学徒動員され作業中だった東邦商業学校(当時)の4、5年生18人と教師2人の20人が犠牲になりました。爆撃を受けて破壊された工場の遺物を譲り受けて「平和の碑」と名付け、戦禍を忘れず平和を祈念する慰霊祭を毎年行ってきました。
 式は午後1時に開式。榊直樹理事長、藤本紀子東邦高校校長らとともに、当日も工場に動員されていた98歳の岡島貞一さん(名古屋市西区)も参加されました。「平和の碑」の前に、献花台が設けられました。
 東邦学園を代表して榊直樹理事長が、今なお戦火が続くウクライナやパレスチナなどとともに、日本でも政治的軍事的な緊張が高まっていることを憂い、広島原爆忌の日に語った小学生たちの言葉を引用し「私たちにはあの悲劇を次の世代に語り継ぐ使命があります。世界で今も起きている戦争を自分のこととして考え、次の世代へ平和について語り継ぐことを誓います」と追悼の言葉を述べました。
 また東邦高校の生徒を代表して生徒会長の松﨑正太郎さん(2年)が「今年は平和の碑が建立されて30年目に当たります。毎日前を通るこの碑には、国籍や軍人、民間人の区別なく、すべての犠牲者を慰霊すると刻まれています。これは恒久平和への願いが込められた非常に意義深いものです。さまざまな活動を通じて『なごや平和の日』の設立に努めた先輩たちを引き継ぎ、悲惨な戦争の歴史を次世代に語り継ぐ担い手になります」と誓いの言葉としました。東邦高校では、平和を語り継ぐさまざまな活動を今も続けています。
 全員で黙とうのあと、岡島さんをはじめ、榊理事長、藤本校長、東邦会役員、生徒らの献花の列が粛々と続きました。
 式の後、生徒らに囲まれた岡島さんは「ウクライナをはじめ今の世の中はおかしくなっているように感じる。碑の名前を見るたびに亡くなった同級生たちの顔を思い出しますが、とうとう残ったのが私1人になってしまいました。生きとるうちは慰霊祭に参加したい。後輩たちが立派なことを続けてくれているので、ありがたいことです」とたのもしい高校生たちに目を細めていました。

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