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2021.11.09

INAXライブミュージアム企画展でよみがえる「壁画校舎」

 常滑市の「INAXライブミュージアム」で116日から企画展「壮観!ナゴヤ・モザイク壁画時代」が始まり、東邦高校の赤萩校舎(名古屋市東区赤萩町)時代の「壁画校舎」も写真パネルで紹介されています。INAXライブミュージアム企画担当の筧天留さんによると、高度経済成長期、名古屋とその周辺では様々なモザイク壁画による装飾文化が花開きました。背景には、無機質な鉄筋コンクリート造りの新しい建物を装飾する需要が全国的に増えたことに加え、この地域には、常滑や瀬戸、多治見など日本有数のやきものの産地だったことなども関係しているそうです。

 東邦高校の壁画は、赤萩校舎時代、本館(地下1階、地上4階)が1964年に完成した際、本館西側には二科会の安藤幹衛画伯によって設置されました。パネル写真とともに展示された解説パネルによると、安藤画伯は男子生徒へのメッセージとして、ダイナミックなたくましい躍動感を現しました。さらに、自身のメキシコでの経験を踏まえ、「青年諸君、狭い日本の枠で隠花植物になるより、胸を張って眼を外に向け、海外に飛躍せよ!」という願いを作品に込めたことが紹介されています。壁画素材は、INAXの前身である伊奈製陶が販売したガラステッセラと呼ばれる色ガラスが使われたと見られ、表紙に赤萩校舎の壁画写真が使われた同社販売カタログ(1969)が保存されていることが企画展準備過程で分かり、筧さんが来場者に紹介しました。

 企画展「壮観!ナゴヤ・モザイク壁画時代」は2022322日まで開催されます。詳細についてはINAXライブミュージアムのサイトをご覧ください。

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