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2022.08.23

45年前決勝戦に思い重ね 東邦OB大矢さんが甲子園最後の解説

 「45年前と同じ決勝戦の舞台で解説をさせていただき、思い出深い甲子園球場をしっかり目に焼きつけることができました」――。夏の全国高校野球は8月22日の決勝戦で、仙台育英高校が下関国際高校に8対1で勝利、東北勢初の全国制覇で幕を閉じました。NHKテレビの中継では東邦高校OBで元JR東海監督の大矢正成さんが解説しましたが、大矢さんにとってはこの日が甲子園最後の解説。東邦高校が1977年夏、初めて決勝戦に進出し準優勝した時の思い出も語りながら最後の解説を終えました。
 大矢さんは2003年から10年間、NHK名古屋で高校野球の解説を務め、2013年からは甲子園での全国大会解説も担当してきました。選手時代は、「バンビ」の愛称で人気を集めた投手の坂本佳一さんとバッテリーを組み、1977年夏の甲子園大会で準優勝を果たしました。主将は森田泰弘前監督で、森田さんも今大会期間中の8月15日、高校野球の指導、発展に貢献したとして、日本高野連などから育成功労賞の表彰を受けました。

◇重かった木箱の準優勝メダル
 8月22日の甲子園での閉会式中継。優勝メダル姿の仙台育英、準優勝メダル姿の下関国際の選手たちが場内を一周。坂梨哲士アナウンサーが「大矢さんも甲子園準優勝して甲子園を一周されましたが、メダルを木の箱に全部まとめて持って預かったとか」と尋ねました。
 <そうなんですよ。45年前の閉会式では一人ひとりにメダルを首にかけることはありませんでした。私は副キャプテンでしたが、キャプテンで前東邦高校監督の森田君が準優勝盾をもらって、私が全員のメダルを箱に入れてこの場内を一周したんです。ずっしりと重い箱を持って一周した思い出があります。でも場内の拍手をあびての「栄冠は君に輝く」の歌声は今でも思い出の中に残っています。本当に思い出に残る行進でしたね>
 坂梨アナウンサーはさらに「東邦高校は決勝で東洋大姫路高校にサヨナラ3ランを打たれて敗れてしまいましたが、勝っても負けてもすばらしい瞬間だったのでは」と尋ねました。
 <本当に、場内の皆さんが、心を込めて拍手をしてくれました。よくやったぞという思いが伝わった暖かい拍手で本当にうれしかったですね>

◇野球小僧の気持ちで夢のような時間
 決勝戦、大会全体を振り返っての解説を続けた大矢さん。最後に、坂梨アナウンサーが「大矢さんはきょうの放送が甲子園では最後の放送ということになりました」と紹介しました。
 <毎試合、解説をする時には野球小僧の気持ちで臨んでおりました。本当にうれしくて仕方がない夢のような時間でありました。かつて池田高校の蔦監督が初めて甲子園に出場された時、おっしゃいました。山あいの町の子供たちに、一度でいいから大会を見せてやりたいんだと。私はこの言葉が大好きです。蔦監督の万感の思いが詰まっている気がします。それほど甲子園は価値のある夢舞台だと思います。高校野球は後々の人生に生かされることがたくさん詰まっています。世の中、社会に出ますと、思い通りに行かないこと、つらいことがたくさんあります。そんな時、高校野球で学んだこと、野球を通して鍛えられた強い心があればきっと乗り越えられると思います。45年前と同じ、決勝戦の舞台で解説をさせていただきまして、思い出深い甲子園球場をしっかり目に焼きつけることができました。長い間、本当にありがとうございました。お世話になりました>
 万感の思いを語った大矢さんに、坂梨アナウンサーからは「大矢さん、本当に我々からもありがとうございました。いつも球児に寄り添った解説をしていただき、我々もわくわくしながら解説を聞かせていただきました」とねぎらいと感謝の言葉が贈られました。

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