東邦高校（東邦学園）と中京大中京高校（梅村学園）がともに迎えた創立100周年を記念した「オール中京・オール東邦 野球大会」が11月23日、バンテリンドームナゴヤで開催され、スタンドを埋めた生徒や卒業生ら約１万人が100周年を祝いました。
　両校はともに1923（大正12）年に、東邦商業学校、中京商業学校として創立。甲子園での優勝回数は中京が夏7回で全国最多（春4回を合わせると11回）、東邦も春5回で全国最多を誇ります。
　開会式では東邦学園の榊直樹理事長と梅村学園の梅村清英理事長があいさつ。榊理事長は、「両学園の100年を支えてきた大きな柱の一つは野球でした。投げて、打って、守ってという単純なスポーツですが、100年間、私たちを勇気づけ、鍛え、成長させてくれました」と学園の発展に果たした野球の意義を強調しました。
　野球大会はOB対抗戦と現役対抗戦の２試合が行われました。午前10時開始のＯＢ戦の監督は、東邦は森田泰弘・東邦学園総監督が、中京が半田拓也・中京大監督がそれぞれ25人のメンバーを指揮しました。試合開始前には、東京６大学リーグの早稲田大学の主力選手である東邦出身の熊田任洋（４年）、吉納翼（3年）、中京出身の印出太一（同）の3人が記念ショットに応じるなどの交流風景も見られました。
　試合は東邦が３－２のリードで迎えた7回裏、中京が押し出しで同点に追いつき、さら3点を加えて６－３と逆転勝利を決めました。5回終了時には愛知県の大村秀章知事もネット裏に姿を見せ、あいさつし、球場大型画面で中継されました。
　OB戦終了から現役戦開始までの間、両校放送部による両校野球部史の紹介、東邦高校のマーチングバンド部とバトントワリング部、中京大中京高校のチアリーディング部とダンス部演舞などのアトラクションが行われました。
　現役戦では先攻めの中京大中京が初回に3点を奪い先制。３、５、７回にも１点ずつを加え６―０で東邦高校を制しました。
　試合後、両校代表選手があいさつ。東邦高校の林里樹選手（2年）は「素晴らし大会を開いていただきありがとうございました。これからも両校とも、切磋琢磨し合いながら、愛知県の野球を盛り上げていけるよう頑張っていきます」と語りました。中京大中京高校の佐古響次朗選手（2年）も「愛知の野球少年たちのあこがれであるこの2校が、お互いに創立100周年を記念するこの場所に共に集いました。愛知の高校野球、日本の高校野球をこれからも引っ張っていけるよう互いに良きライバルとして切磋琢磨していきましょう」と力強く語りました。
　東邦高校の100周年記念野球大会事務局には一夜明けた11月24日、現役対抗戦前のアトラクションの一つとして実施された両校選手とのキャッチボールイベントで、東邦高校選手に相手をしてもらった学童野球チームの保護者から、「憧れのドームで、憧れのお兄さん達と一緒にキャッチボールができて子供たちは終始キラキラと目を輝かせておりました」というお礼のメールが届きました。