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2024.05.15

「なごや平和の日」初の式典で東邦高校生4人が「平和宣言」

 名古屋市の「なごや平和の日」制定後初の式典となる「なごや平和祈念式典」が5月14日、名古屋市昭和区の岡谷鋼機名古屋公会堂で開催されました。条例制定のきっかけを作った東邦高校生4人が「制定までの歩み」を述べ、河村たかし市長との「平和合同宣言」を読み上げました。
 名古屋市は1942年4月18日から1945年7月26日まで計63回の空襲があり8000人近くが亡くなりました。1944年12月13日には東邦商業学校(現在の東邦高校)の生徒ら20人が動員先の三菱重工業名古屋発動機製作所(東区大幸町)で犠牲になりました。「なごや平和の日」と制定された「5月14日」は1945年5月14日に、最も多い472機のB29が来襲し国宝だった名古屋城天守閣が焼失した日です。
 東邦高校生徒会では2014度から名古屋市や同市議会に条例制定を要望するなどの活動を続けてきました。市の有識者協議会が「5月14日」とする意見をまとめ、2024年3月の市議会で条例案が可決され、4月から施行されました。「名古屋空襲により犠牲になられた方々を悼むとともに、悲惨な戦争の体験・記憶を後世に語り継ぐことにより、市民の恒久平和の実現を希求する意識の醸成を図り、もって社会の発展に寄与すること」が条例制定の目的となりました。
 午後1時半から始まった式典開会あいさつでは、河村市長が「10年かかりましたが、ここにいる東邦高校の生徒の皆さん、本当によく頑張りました。私も東邦高校の『慰霊の日』に参列させていただき、名古屋市としても戦争について考える日を設けようということになりましたが、10年もかかってしまいました」と東邦高校生たちの活動を称えました。
 この後、河村市長、東邦高生4人、名古屋市戦没者遺族連合会、名古屋空襲の犠牲者を追悼する日協議会代表らによる献花と参列者全員による黙とうが行われました。
 東邦高校の4人は西岡莉々子さん(美術科3年)、髙橋愛奈さん(普通科国際探究コース3年)、柴﨑彩良さん(美術科2年)、村上心優さん(普通科2年)。西岡さんは2023年度後期生徒会長で名古屋空襲慰霊の日制定実行委員長を務めました。
 4人は市長との「平和合同宣言」で、「戦争の記憶を風化させない」(西岡さん)、「国や文化の違いを受け止め、互いに認め合う世界に」(髙橋さん)、「平和な世界を作っていく」(柴﨑さん)、「声をあげ続ける」(村上さん)とそれぞれ訴えました。
 式典では「なごや平和の日」制定で、東邦高校生たちの果たした役割を称え、東邦高校校歌も流されました。
 式典を見守った榊直樹理事長は「10年前の慰霊の日に、河村市長さんに来ていただいたのが始まりとなりましたが、その後、生徒たちの代が替わっても、活動が受け継がれ、それが、名古屋の市政を動かすことになったことは素晴らしいこと。生徒たちの宣言を聞いていて、学校がやってきた平和教育と国際理解教育が見事に結びついているなと思いました」と語りました。
 三菱重工業名古屋発動機製作所の跡地に建てられたバンテリンドームナゴヤでは5月25日午後2時から、中日ドラゴンズ対東京ヤクルトスワローズ公式戦に合わせて「なごやピースデー」のイベントが実施されます。空襲パネル展、選手たちの平和メッセージが紹介されます。

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