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2024.12.10

空襲の犠牲から80年 「慰霊の日」でオリーブに託した「平和の屏風」披露

 太平洋戦争末期、勤労動員先で空襲の犠牲になった東邦商業学校(東邦高校の前身)の生徒・教員20人らを追悼する「慰霊の日」献花式が12月10日、東邦高校で行われました。式典では、今年、東邦高校生徒会の10年越しの活動が大きな原動力となり「なごや平和の日」(5月14日)が制定されたこと、来年で戦後80年を迎えることで美術科の生徒たちが中心となり制作中の「平和の屏風」も紹介されました。
 20人の犠牲者が出たのは80年前の1944年12月13日、名古屋市東区の三菱重工業名古屋発動機製作所大幸工場への米軍による空襲でした。献花式は午後1時から、「平和の碑」前で行われ、教職員、生徒のほか来賓として名古屋市の広沢一郎市長も参列しました。
 学園を代表してあいさつした榊直樹理事長は、「天上におられる皆様へのご報告」として、被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が、ノーベル平和賞を受賞し、8時間後にノルウェーのオスロで授賞式が始まること、生徒たちが市政を動かし、「なごや平和の日」が制定されたこと、美術科の生徒たちが「過去・現在・未来」を6枚の屏風に描いてくれており、制作途中ながら展示したこと報告。
 「屏風のメッセージは極めて明確です。名古屋の戦時中のグレーの家屋が、現在の姿に復興・発展し、未来都市へと変貌する過程を貫くものとして、オリーブの木と実の成長を描いていることです。オリーブは 『平和』や『安らぎ』」の象徴とされ、国連の旗にも使われています。聖書の世界に登場するノアの方舟に、平和を知らせに来た鳩がくわえていたのがオリーブの花でした。私たち地球の運命は漂流するノアの方舟のようですが、平和をあくまでも希求しなければなりません。誰かがオリーブの木・平和の花を運んでくることを待っていてはいけません。本校生徒たちがバトンを受け継いできたように、私たち自身が平和の木を植え、未来へ向けて大きな実に育てることです」と平和への決意を述べました。
 来賓の広沢市長は、「名古屋市では名古屋空襲で最も大きな被害があった5月14日を『なごや平和の日』と定めました。東邦高校では学校、生徒会が中心となった要望書、請願活動に取り組まれ、制定後初の祈念式典でも4名の生徒の皆さんにその報告をしていただきました。名古屋市は今後も平和継承事業に取り組んでまいりますので、引き続きご支援、ご協力をお願いします」とあいさつしました。
 生徒会長の丹波心晴(こはる)さん(2年生)は「私たちは共に歩み、平和な社会の実現に向けて努力し続けます」と「誓いの言葉」を述べました。
式典は全員で黙とうした後、参列者による献花が行われました。
空襲の犠牲となった東邦商業19回生たちと同期で、97歳(1927年11月1日生まれ)を迎えた岡島貞一さん(名古屋市西区)も式典後、屏風の前で生徒たちとの記念写真に応じていました。6月から制作が始まった屏風は2月に完成予定です。

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