東邦高校硬式野球部は7月27日、全国高校野球選手権愛知大会の決勝戦で豊橋中央高校と対戦し、惜しくも5対6で敗れて甲子園出場を逃しました。
「さあ逆転の東邦だぞ」――2点差を追う9回裏の攻撃が始まる時でした。ひときわ大きな声が生徒たちの陣取る一塁側スタンドからグランドに飛びました。炎天下、じっと観戦を続けてきた榊直樹理事長の「げき」でした。 その「げき」に応えるかのように9回1死から連打と失策でつかんだ満塁のチャンス。スタンドも押せ押せの声援で盛り上がりました。ところが次の打者がショートゴロ、誰もがゲッツーかと思った時、二塁から一塁への転送が悪送球となり2人が還り同点に追いつきました。応援の生徒たち、ベンチに入れなかった部員たちや選手の家族、そして卒業生たちも歓声を上げ、手を取り合ったり肩をたたきあったりと、まるで優勝したような騒ぎでした。しかし、逆転はならず、タイブレーク制の延長戦に。
3点リードされた11回の攻撃でも、レフトオーバーの長打で2点を返す意地を見せましたが、豊橋中央の野手の好返球に三塁を奪えず、反撃もここまででした。昨年に続き、2年連続、決勝戦で敗れる悔しい結果になりました。
30度をはるかに超える猛暑の下、グラウンドでは3時間33分の死闘でしたが、もちろんスタンドもこの熱闘を支えました。東邦マーチングバンドが華麗な演奏を続けました。チアリーダーがポンポンを振り続けました。もちろん声援も最後まで勝利を願い続けました。試合後の豊橋中央高校の監督が「すばらしい応援に負けそうでした」と讃えるほどの応援でした。
試合後、悔し涙が止まらない選手を前に、榊理事長は「両チームとも甲子園に出場させたいと願うほどの、まれに見る好ゲームでした。負けたのは残念ですが、とことん力を出し切ったことを心からほめたい」と労いました。
◇高校野球愛知大会決勝戦(岡崎市民球場)
豊橋中央 00201000003 6
東 邦 10000000202 5